私の生業であるSIerの業界に限った話かどうかはわかりかねますが、仕事をしていて俗にいう進捗会議を行う際に問題点、課題と呼ばれるものをピックアップして報告する場面が少なからずあると思います。その時に同時に解決策を求められることって有りませんか?実に理不尽な話です。
突然の「で、どうすんの?」
とある課長と平リーマンの会話。
ではキミ、報告を。
スケジュールからは1日遅れています。
見積よりも作業が多く、今後も遅延が発生する可能性があります。
ふむ。リカバリプランは?
えーと・・・
(・・・こっちが聞きてぇよ・・・)
じゃぁ明日までにまとめて報告してね。
はい・・・
(ヲイヲイ手に余るから問題報告したんじゃねーか・・・)
お前は何もしねーのかよ( ゚д゚)
と思わずツッコミを入れてしまいたくなるシチュエーションですね。社会人はホウレンソウが基本だ!とか抜かしやがるから報告してやったのに自分で解決しろと言われてしまってはお話になりません。
部下が問題だと報告してきたということは解決できない問題が発生したんだと理解するのが当然でしょう。実態としてその部下の権限の範囲内で工夫すれば解決出来る問題である可能性はありますが、そうであっても部下の判断では解決できないというサインを出しているわけですから、上司の目線からみて助言をするなりしてあげれば良い。
また、本当に上司(あるいは更に上)の権限・判断が必要な場合に、このような「問題のない報告」を求めるスタンスで仕事をされては話になりません。
問題なんてあるに決まっている
何もかもが想定通りにスムーズに運ぶ仕事なんてありえません。部下から問題報告が上がってくるのはむしろ健全な現象であって、部下が真摯に仕事に取り組んでいる証です。決して部下の能力が低いから、解決策の模索を怠っているからでは有りません。
「問題ありません!」という報告だけを聞きたいという気持ちもわからなくも無いですが、そういうスタンスで仕事をするとアレが起こります。アレです。
現場「これ絶対やばいっすよ」
ヒラ「やばいらしいですよ」
主任「やばいかもしれないって」
係長「懸念すべき事項が一つ」
課長「一つを除き問題ありません」
部長「実に順調です」
社長「うむ」
マジであるからねコレ( ゚д゚)
笑える伝言ゲームのように見えるかもしれませんが、今日もこの国の何処かで繰り広げられている現実です。みんな身に覚えがあるから流行るんですよね、こういうのって。
そろそろ減点法の評価からは卒業すべき
「出来て当たり前」「何か問題があると減点」みたいな発想をいつまでもしているからイカンのですよね。あまり伝言ゲームするような大きな組織で仕事をしない人や、学生さんなんかにも分かる例で言うと、いじめで子供が自殺した時に校長がクチを揃えて「いじめの事実は無かった」って言う奴がイメージしやすいですかね。
アレも「いじめの事実」があることが認定されてしまうと校長を筆頭に学校の評価が下がってしまうからだ、なんて話をよく聞きます。いじめがない学校なんてありえませんし、いじめを検知出来ない、検知してももみ消されてしまう状態のほうがむしろ超コワイ。
むしろいじめの事実を積極的に検知・認定して被害者の保護、加害者のフォローに動き出せるほうが健全な組織ですからね。末端である担任の先生だってなんとかして欲しいと思って上司である教頭・校長にアラームを上げているんだと思いますよ。
で、どうするの?って返されながら。
民間企業と違って保守的な発想の人が多そうだから先生がブラックだってのもうなずけるなぁ。問答無用な職場だと思うしね、学校って。
で、どうするの?は後で良いじゃない
とりあえず問題点をあげたらどう対処するかはみんなでゆっくり考えたら良いじゃない。解決出来なかったことを出来ませんでしたと報告して何が悪いというのでしょう。とにかく報告しなければ先に進まないんだから仕方がないですよね。
むしろ問題が解決しなくて困るのは現場じゃなくて会社だからね。サラリーマンは自分の仕事をしているんじゃぁありません。会社の仕事をこなして給料をもらっているんですから。
おわりに
というわけで問題報告と同時に解決策の提示を求められるのは頭おかしいよね?というお話でした。みなさんの上司にそんな人がいたら「それ、オメーの仕事だから」とツッコんで挙げてください。そんな上司になってんな~と身に覚えのある人は大いに反省してくださいね。
それではまた!