サラリーマンのプロフェッショナリティを定義する

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総務省統計局の労働力調査(2015年10月分)によると、日本の雇用者数は5,704万人だそうです。もちろん正規雇用・非正規雇用を含んでの数値ではありますが、この国で最もポピュラーな働き方がサラリーマンであるということを数字が語っているわけであります。

ライセンスを保持することがプロであることと同義である職業(プロボクサーなど)を除いて、「○○のプロ」という表現を使う場合には何かの専門家として仕事をし、収入を得ていることを指すことが多いように思います。

この国には5,704万人のサラリーマンがいます。サラリーマンとして収入を得ているわけですから、この国にはサラリーマンという働き方のプロが5,704万人いると言っても過言ではありません。

しかしながらこの国のサラリーマンは目の前の仕事に真剣に取り組む事はあっても「給料を貰う」ということに関して真剣味が足りないと常に感じています。サラリーマンにとって最も大切なことは給料を貰うことであると強く認識すべきなんですよね。

この記事ではサラリーマンのプロフェッショナリティについて定義し、給料をもらって働くということの意味を考えてみたいと思います。

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サラリーマンのプロフェッショナリティとは

大事なことなのでこの記事のみならずこのブログのいたるところで書いていますが、サラリーマンの最も大切な仕事は給料をもらうことです。会社に貢献することでも、社会に貢献することでも、自分が成長することでもありません。

給料を貰うことなんです。

もちろんそれ以外の事に関しては個人の自由ですから、どのような考え方をしようと自由です。他人がとやかくいうことではありません。

お金のために働くことが良いとか悪いとかそういう話をしているんじゃありません。労働契約の定義を勝手に解釈するなという話をしているんです。

労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

引用元:労働契約法第6条

サラリーマンであるあなたは労働を提供する対価として給料を貰う契約を結んでいるんです。

それは断じて軽んじるべきではありません。労働という行為に勝手にあれこれイメージや偏見を持つのは勝手ですが、原則は守るべきです。

従って、サラリーマンのプロフェッショナリティとは労働にまつわる法律などのルール、使用者である会社との契約内容、社内のルール・仕組みを正確に理解し、正しく給料を貰うということが基本かつ唯一のことなのです。

労働法制をざっくりで良いので理解しよう

日本には労働にまつわる様々な法律があります。中学校の社会科の教科書に憲法関係をやるついでに労働三法とかその辺りのネーミングだけは教わったような気がしないでも無いですが記憶はちょっと曖昧ですね。

日本の労働に関する教育なんてものは所詮その程度のものだということです。ほぼ全ての国民がサラリーマンになるであろう世の中において労働に関する法律をちゃんと教えないというのは悪意すら感じますね。

とはいえ労働関係の法律はたくさんあります。wikipediaから引用出来る主要なものだけでもこんな感じ。

  • 個別的労働関係法:個別的な労働関係、労働契約関係についての法律
    • 労働契約法
    • 労働基準法
    • 労働安全衛生法
    • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)
    • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)
    • 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児介護休業法)
    • 最低賃金法
  • 集団的労働関係法(労使関係法):使用者と労働組合との関係についての法律
    • 労働組合法
    • 労働関係調整法
  • 労働争訟法:個別的労働紛争の簡易な解決を目指す法律
    • 労働審判法
  • 労働市場法(雇用保障法):労働市場の規制に関する法律
    • 職業安定法
    • 雇用保険法
    • 労働者災害補償保険法
    • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)

流石に多すぎて辛い。

そりゃ難しくて社労士なんていう職業があるわけです。基本的にはネットで検索してざっくりと内容を把握しておき、何か困ったことがあった時に法律ってこうなっていたはずでは?という感じで再確認すると良いでしょう。

大切なのは労働に関する法律の精神を知っておくことです。得てして使用者の方が強い関係になりがちな労働契約において、労使関係は対等なものであり、労働者はある程度保護されなければならないものであると心得ておきましょう。

労働基準法第1条より引用します。

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

いかなる理由があっても労働を理由に心や体を壊したり過労死するなどといったことが起こってはならないのであるということを肝に命じましょう。

今自分のやってる仕事の仕方って違法じゃない?とちょっとでも思ったなら法律を確認し、適切な対処を行いましょう。関り合いにならないように自分だけ辞めて逃げることだって時には重要ですよ。悪事の片棒を担がないようにしましょう。

税金・社会保険の仕組みを理解しよう

ここからはちょっとゆるい話。このブログでも過去に記事にしていますが、税金や社会保険料の金額は給料に応じて決まります。プロフェッショナルサラリーマンを目指すならこの辺りの仕組みを抑えておくことは必須でしょう。

法律ほど難しいことは全然ありませんので一度勉強してみることをおすすめします。

税金と社会保険料の決まり方を理解して働こう
以前に厚生年金・健康保険の定時決定と残業の関係という記事で厚生年金と健康保険の...
厚生年金・健康保険の定時決定と残業の関係
4月・5月・6月のお給料で等級がきまるから3月・4月・5月の残業は控えておこう...

せっかく一生懸命働いたのに理不尽な国の仕組みのせいで手取りが減ってしまうなんてもったいない。基本の一つです。

自分の会社を理解しよう

法律や制度を理解したら次は自分の会社を理解しましょう。それぞれの会社で違うルールや制度を用意しているでしょうから、自分の会社ではどうなっているか一度確認して見ることをおすすめします。

ん・・・?挙げられているようなものが何もない会社で働いてるって?

世間ではそれをブラック企業と呼ぶんですよ。

労働契約を理解しよう

会社に就職するときは会社側との間で労働契約を結びます。労働契約書として明示的に色んな条件が書かれた書類を取り交わすことはあまり無いでしょう。

労働契約書にはこれ以降に挙げる就業規則や給与規定に従って仕事をしますよと、と言ったことが書かれているペラ紙になっていることが一般的ではないかと思います。

もしきちんとした内容が書かれた書類を交わしたのであれば今一度確認してみてください。

就業規則を理解しよう

就業規則にはその会社で仕事をする上でのルールが記載されています。採用や異動、労働時間や執務上のルールなどなど。この後触れる給与規定や退職金なんかも就業規則の一部として書かれていることも多いでしょう。

就業規則を確認する上でのポイントはこの2点だと思います。

  • 違法なルールが設定されていないか
  • 労働者に不利なルールが設定されていないか

違法なルールの下で就労することはこれ即ち犯罪の片棒を担ぐことですからね。可能なら通報するもよし、辞めて逃げるも良しです。

労働者に不利なルールについては、違法では無いにしても一般的なルールと比較してちょっと労働者に厳しく無いか?という点を確認しましょう。

オフィスで使う備品のペンとか、場合によってはPCや車等を自前で用意しなさいなんてことも明確に違法ではないようですし、交通費の支給も義務付けられたものではありません

ただ備品を自前で用意させられたり、私物を仕事で使わされたり、交通費も出ないなんていうのは社会通念上好ましくは無いでしょうし、そういった会社で働くことは避けることをおすすめします。

違法ではないにしろ十分にブラック企業と呼んでも良いでしょう。

給与規定を理解しよう

会社にはそれぞれ賃金に関する規定があるはずです。サラリーマンが意識すべき最も大切なルールの一つですよね。

給与規定を確認する上でのポイントはこの3点だと思います。

  • 残業(時間外労働)単価の計算方法
  • 昇給のルール、金額
  • 退職金制度

まず残業単価の計算方法。サラリーマンは基本的に時間を給料に変える働き方です。特に残業・時間外労働は通常の労働に加えて更に時間を投入することで給料を増やす方法になります。当然1時間がいくらで売れるのかは把握しておく必要があるでしょう。

きちんと義務付けられた割増賃金が支払われる計算式になっているか、計算の基礎となる賃金に含まれる部分と含まれない手当の類は明確になっていて、納得できるものになっているか。

などなどきちんと計算式を理解して、残業するときの心づもりをしておきましょう。今日は3時間残業したからいくらになったな、とかね。

日本人は漫然と残業しすぎなんです。今いくら稼いでいるのかをちゃんと意識しましょう。

残業も通常の労働と同様です。仕事を片付けることが目的ではない。残業代を貰うためにわざわざ遅くまで残っているんです。

また、昇給のルールや昇給の金額についても大切です。毎年毎年漫然と仕事をして、昇給タイミングの翌月の給与明細を見てから「なんだ、全然上がってないな」なんてがっかりしていませんか?

真剣味がたりませんよ。

社長の気まぐれで給料を決めている頭のおかしい会社を除いては、ちゃんとしたルールに従って給料が上がっていくはずです。そのルールを把握しなければ賃金カーブも予測出来ないし人生設計もできません。転職するにしても比較材料が無いはずです。

真面目にやってください。

退職金についても同じですね。定年まで務める気マンマンで行くにしても、転職するにしても、早期リタイアするにしても退職金の金額は常に意識しておくべきでしょう。サラリーマンとしては当たり前のお作法です。

退職金制度が無い会社は無いだけなのか給料に上乗せされているのかを判断しましょう。

就業管理の仕組みを理解しよう

タイムカードを押す職場、システムに時間を投入する職場、色々仕組みがあるでしょう。細かいポイントになりますが就業管理の仕組みとそのルールも大事なポイントです。

作業の準備も労働時間に含まれるべきという点はまず大事でしょうね。まず始業のカウントがされてから準備にとりかかる、全ての片付けが終わった後に終業のカウントが行われる。これが基本です。

数分の話なら波風を立てないというのも一つの選択肢ですが、過度にそれが守られていないと感じたらいわゆるサービス残業という違法行為に他なりませんので然るべき対処を行うべきでしょう。

また、私の経験からもう一つ確認したいポイントがあります。それは時間外労働の端数について。1時間未満の労働時間の扱いや、1円未満の賃金の扱いですね。

過去にこんな行政通達が出ているようです。

  1. 時間外労働および休日労働、深夜労働の1ヵ月単位の合計について、1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げること。
  2. 1時間当たりの賃金額および割増賃金額に1円未満の端数がある場合は、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げること。
  3. 時間外労働および休日労働、深夜労働の1ヵ月単位の割増賃金の総額に1円未満の端数がある場合は、上記2と同様に処理すること。

引用元:行政通達(昭63・3・14基発第150号)

時間については1ヶ月分まとめてしまえば30分未満は切り上げても切り捨てても良く、50銭未満の端数は切り捨てても切り捨てても良い、ということですね。これ以上労働者の不利にならなければ問題ありませんので、30分未満、50銭未満を切り捨てるか切り上げるかは会社の裁量に任されています。

基本的にはルールに則っていれば問題ありませんが、自分の会社の就業管理の仕組み上の労働時間の最小単位と切り上切り捨てのルールはきちんと抑えておきましょう。

「仕組み上15分単位で管理されていて、1ヶ月の単位で1時間未満の時間は切り上げ」

というルールだった場合、1ヶ月の時間外の合計時間の端数を15分にしておくことで45分ぶんお得に給料が貰える、なんてことが起こりえます。

時給2,000円だったら1,500円お得になります。12ヶ月続ければ18,000円です。

バカにできない金額であると言わざるをえない。小さいところにも気を配るのがプロフェッショナルサラリーマンのあるべき姿です。

是非会社には端数15分の時間外を命令してもらいましょう。

まとめ

長くなりましたが、ポイントをおさらいしておきます。

  • 労働法制の概要を抑えて、いざというときに備えよう
  • 税金・社会保険料の金額が決まる仕組みを抑えて工夫しよう
  • 自分の会社のルールを理解しよう
    • 不利なルールが無いか確認しよう
    • ルール上損にならない働き方をしよう

と言った感じですね。

どんなに仕事がデキる人でもこの辺りちゃんと理解していないと本当はイケないと思います。本当はこういうところをこそ学校で教えたりして欲しいと思うのですが、どうもそういう流れには向かわないようで。残念でなりません。

おわりに

というわけでサラリーマンのプロフェッショナリティについて勝手ながら定義させていただきました。細かいツッコミはさておき総論については異論は認めん!って奴でしょうかね。

昨今のブラック企業問題についても、働く側がきちんと仕組みを理解して戦わないから使用者が調子に乗るんだと思っています。きちんと内部告発の仕組みが働いて、労働者を酷使する会社は法的な処分を受けるべきなんですよね。

知らずに加担することは最早罪ですよ。

また、働く意味や意義に関して色んな考え方をする人が居ますが、まずは給料をちゃんと貰うこと、それ以外は二の次三の次であるべきです。労働とはそうあるべきものです。

日本全国5,704万人のサラリーマンが漏れ無くプロフェッショナルサラリーマンたることを願っております。

それではまた!

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